• 古典に学ぶ
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弱は強に勝つ

およそ何が柔らかい、弱いといっても、水ほど柔らかく弱いものはない。そのくせ、堅く強いものにうち勝つこと、水にまさるものはない。これは、水が弱さに徹底しているからだ。弱は強に勝ち、柔は剛を制する、この道理はだれでも知っている。しかし実行できずにいる。聖人はいった。「一国の恥をわが身に負う者が、一国の宗主である。天下の不幸をわが身に負う者が、天下の王である。」真理は往々にして、常識からは背理と見られるものだ。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店

天道はつねに善人に与す

いったん大きな恨みを結んでしまえば、どんなに和解しようと努めても、完全に和解できるものではない。はじめから恨みを結ばぬに越したことはない。聖人は、たとい相手を責める有利な立場にいたとしても、人を責めようとはしないものだ。徳ある者は、たとい人を責める権利を握っている場合にも、その権利を行使することがない。厳しく人を責めるのは、徳のない連中がすることだ。天道にはえこひいきがない。つねに徳ある者に幸いするのである。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店