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それぞれ長所と短所がある

天も地もすべての事を成し遂げることはできない。聖人も何もかもできるわけではない。万物も、その一つ一つが何にでも役に立つわけではない。天は万物を覆う働きをする。地は万物をのせる働きをする。聖人は人を教化する。万物はそれぞれの性質に応じて役立っている。天にも、地にも、聖人にも、物にも、それぞれ長所と短所がある。天は物をのせられない。地は人を教化できない。聖人は物の性質にさからえない。みな、それぞれの与えられた性質にもとづいて働けるだけだ。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店

無為は全知全能

生ある者はすべて死ぬ。だが、それを生み出したものは死なない。形あるものは目に見える。だが、形を形としているものは目に見えない。音そのものは聞こえても、音を音にしているものは聞こえない。これらはすべて無為の働きである。無為は陰でもあり、陽でもある。柔でもあり、剛でもある。円でもあり、角でもある。生でもあり、死でもある。無為は無知でもあり、無能である。と同時に全知であり、全能である。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店