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王さまと奴隷 その1

周の国の尹という男は財産を増やすことばかり考えていた。尹家の使用人は、朝早くから夜遅くまで休む間もなくこき使われた。 なかに一人の老僕がいた。からだがもういうことをきかなくなった。それなのにおかまいなしに使われた。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店

王さまと奴隷 その2

昼間はうんうんうなって働き、夜は疲れ切ってぐっすり寝込んでしまう。だが、眠れば心はのびのびとする。 老僕は夜ごとの夢に王さまとなった。民草をしたがえ、国政を統べ、立派な宮殿、豪華な宴会、すべてが思いのままである。 この上ない楽しさであった。そして目がさめれば、またもとの老僕にかえるのであった。
(参考:奥平卓・大村益夫訳「老子・列子」):徳間書店