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仁におかげ

封建制の統治はたやすく軍事優先政策に堕落することがあるが、その統治下にあって私たちが最悪の種類の専制から救われたのは、まさに仁のおかげである。支配される者の側で、生命と身体を全く明け渡すとき、支配者に残されるものとては、自己意志から生じる自然的結果は、しばしば「東洋的専制」とよばれる絶対支配の発達である。
(参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館

封建制は圧制ではない

私はどんな種類の専制をも断じて支持するものではない。そして、封建制を専制と一つと見るのは誤りである。フリートリヒ大王が「王は国家第一の召使である」と書いたとき、自由の発達上一つの新時代が達せられた、と法学者が考えるは正しい。ふしぎなことに、時を同じくして、東北、日本の辺地で、米沢の上杉鷹山ようざんが全く同じ宣言を行い、封建制は決して僭主専制や圧制ではないことを示した。
(参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館