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義と廉直

仁は優しい美徳であり、母親のようであることを私たちは知った。もし真直な廉直と厳しい義がとりわけ男性的だったとすれば、慈悲には女性的な穏やかさと人を心服させる力があった。義と廉直で味付けもせずに、無分別な慈悲にふけることにたいし、私たちは警告をうけた。伊達政宗はよく引かれる彼の寸鉄言で、それをうまく言い表している。「義に過ぐれば固くなる。仁に過ぐれば弱くなる」。
(参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館

「ブシノナサケ」

幸いなことに、慈悲は稀なものではなく、むしろうるわしいものであった。というのは、「最も勇敢な者は最も優しい者であり、愛する者こそ敢為の人である」ということは、あまねく事実だからである。「ブシノナサケ」、武士の優しさ、にはおよそ私たちの内にある高貴なものに直ちに訴えかける響きがある。
(参考:佐藤全弘訳新渡戸稲造「武士道」):教文館